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勝又 哲裕*; 稲熊 宣之*; 森 大輔*; 相見 晃久*; 米田 安宏
セラミックス, 54(9), p.629 - 632, 2019/09
ABO型ペロフスカイトフッ化物の結晶構造解析を放射光高エネルギーX線回折を用いて行った。ペロフスカイト型フッ化物においては許容因子の影響は局所構造に反映され、従来型の周期的構造を仮定した結晶構造解析においては平均構造は立方晶となることがわかった。
米田 安宏
セラミックス, 51(10), p.689 - 693, 2016/10
放射光偏向電磁石ビームラインを利用した局所構造解析として、XAFSとPDFを併用したBaTiOとNaNbOの研究例を紹介する。これらのサンプルは室温以下で正方晶構造から菱面体晶構造へと相転移を引き起こす。しかし局所構造解析では、強誘電相においてはいずれも菱面体晶構造に帰結する。BaTiOにおいてはPDFで得られたナノスケールの中距離レンジ構造を、NaNbOにおいてはXAFSとPDFを併用して得られた結果について概説する。
戸張 博之; 花田 磨砂也; 松山 久好*; 森川 一文*
セラミックス, 49(12), p.1050 - 1055, 2014/12
ITER中性粒子入射装置において、絶縁ガス雰囲気の高電圧電源から伝送される最大100万ボルトが印加された導体を、真空中に設置されるビーム源に接続する絶縁導入碍子(HVブッシング)のために、外径1.56m、肉厚50mの大口径セラミックリングが必要とされた。このセラミックリングは、放射線環境下で、内外で最大0.9MPaの圧力差に耐え、100万ボルトを絶縁する過酷な条件下で使用されるものである。しかしながら、開発当初の技術では外径1m程度が限界であり、大口径化が課題であった。本稿では、ITER用HVブッシングの実現に向けて、世界最大口径となるセラミックリングを成形するために新たに開発した冷間静水圧成形法とその型枠の開発、大型リングの焼成のための温度履歴の最適化、及び実用化に向けた耐電圧試験など、日本原子力研究開発機構で実施してきた大口径セラミックリングの製作技術開発について報告する。
野澤 貴史
セラミックス, 49(12), p.1034 - 1039, 2014/12
原子炉材料照射試験において、照射容積、放射化、廃棄物等の問題から微小試験片技術開発が極めて有効だが、複合材料は有限の大きさの複数要素からなる不連続構造に由来する異方性のため、試験片小型化に伴う破壊の特徴を熟慮した評価法の開発が重要である。本稿では、様々な試験モードによる複合材料の破壊挙動に関する最近の成果を交え、微小試験片を用いた複合材料のための強度試験法の特徴と課題を整理し、試験法規格化を見据えた微小試験片法の開発に関する今後の展望を試みた。
竹上 弘彰
セラミックス, 48(1), p.28 - 32, 2013/01
ISプロセス法は、高温ガス炉の熱を利用した大量水素製造法であり、濃硫酸やヨウ化水素等の強腐食性の流体を用いる。したがって、実用化には高温高圧の厳しい腐食環境下で使用可能な装置材料の選定・機器開発が不可欠であり、優れた耐食性と高温強度を有するセラミックスが有力な候補となる。さらに、熱源に高圧ヘリウムガスを用いるため、実用化には高圧ガス保安法といった法令に対応させる必要がある。このような課題の解決には、セラミックス構造体の設計手法が必要であるものの、一般的な手法が確立されていない。そこで、既存の構造設計基準類を参考にセラミックスの構造設計手法の考え方を検討した。本稿では、原子力機構で行った、ISプロセスで用いるSiC製硫酸分解器の構造設計に関する取り組みを紹介する。
前川 禎通
セラミックス, 46, P. 1072, 2011/12
Jin Changqing教授(中国科学院),植村泰朋教授(米コロンビア大学),前川禎通センター長(日本原子力研究開発機構・先端基礎研究センター)及び内田慎一教授(東京大学理学系研究科)等の国際共同研究グループは、新しい磁性半導体であるLi(Zn,Mn)Asの開発に成功した。この物質は、従来の磁性半導体とは異なり磁気的性質と電気的性質を独立に制御でき、また将来の物質開発によりp型とn型の両方の性質を取り得ると予想されることから、磁性半導体によるp-n接合への道を拓く可能性があり、スピントロニクスの応用領域を大きく広げることが期待される。今回作成された材料では、リチウムが過剰な場合においてLi(Zn,Mn)Asに強磁性が発現してp型半導体となることがわかった。また、材料が均一な磁性を示すことを、ミュオンスピン緩和測定により明らかにし、スピンを効率よく操作できることを確認した。これらはLi(Zn,Mn)Asが今後のエレクトロニクス材料として極めて有望であることを示している。この研究は原子力機構・先端基礎研究センターの黎明研究制度による共同研究で行われた。
山西 敏彦; 林 巧; 河村 繕範
セラミックス, 46(3), p.201 - 205, 2011/03
核融合炉燃料システムは、水素及び水同位体分離系,不純物除去系,トリチウム貯蔵系等から構成される。その中でも、燃料であるトリチウムを貯蔵・供給するトリチウム貯蔵系は重要な機能を果たす。トリチウムを貯蔵できる合金は何種類か知られているが、ITERでは、安全性,常温での平衡圧の低さから、ZrCo合金が用いられた。本報告は、このZrCo合金によるトリチウム貯蔵・計量ベッドの構造,その最新の研究開発成果を紹介するものである。また、不純物除去系で用いられている重要なセラミックス材料(トリチウム回収用セラミック水素導電体)について紹介する。
齋藤 寛之; 町田 晃彦; 片山 芳則; 青木 勝敏
セラミックス, 46(3), p.178 - 182, 2011/03
高温高圧法は得られる試料の量が少ないため、大量生産が要求される水素貯蔵材料の合成手段としては非現実的である。しかし高温高圧下では常圧付近では起こらない反応が起こるため、高容量水素貯蔵材料に適した新規な水素吸蔵・放出反応が実現できる。その反応メカニズムを調べることが、高温高圧法を利用する主目的である。本稿では高温高圧下の反応を詳細に調べるための有効な手段である放射光その場観察技術と、その利用によってこれまで得られているアルミニウム水素化物合成研究の成果の一部について紹介する。
河村 繕範; 落合 謙太郎; 星野 毅
セラミックス, 46(3), p.206 - 209, 2011/03
核融合炉では、核融合プラズマを囲むブランケットにセラミックストリチウム増殖材を配置することで、核融合中性子と増殖材中のリチウムの核反応により燃料であるトリチウムを製造する。しかし、トリチウム生成から放出・回収に至るまでの過程は完全には解明されていない。近年、日本原子力研究開発機構では、核融合中性子源(FNS)を用い、トリチウム生成から放出・回収までを追跡する実験を開始した。本稿では、セラミックストリチウム増殖材製造技術開発及び、増殖材を用いた最近の研究成果について紹介する。
樹神 克明
セラミックス, 43(11), p.909 - 916, 2008/11
原子対相関関数(PDF)というものの概念、及びそれを実験的にどのように導出すればよいかについて詳細に記した。さらに結晶性バルク物質に適用した例として、巨大負熱膨張物質MnCuGeNにおける局所構造歪みと負熱膨張との関連性の発見、及びマルチフェロイック物質BiMnOにおけるバルクより低対称のドメイン構造の観測について紹介した。
岡村 清人*; 下尾 聰夫*; 鈴谷 賢太郎; 鈴木 謙爾*
日本セラミックス協会学術論文誌, 114(1330), p.445 - 454, 2006/06
被引用回数:56 パーセンタイル:78.79(Materials Science, Ceramics)今日、有機ポリマーの焼成による無機化によって多くのSi基セラミックス繊維が開発されている。本稿では、こうした有機-無機変換プロセスによるセラミックス繊維開発の先駆けとなった有機ケイ素ポリマーであるポリカルボシランから作られるSiC繊維について、その製造方法と繊維構造、高温での熱的安定性について解説した。はじめに典型的なポリカルボシラン系SiC繊維であるSi-C-O繊維について、次に放射線不融化法による低酸素含有繊維(Si-C繊維)について、最後に近年開発されたほぼ化学量論的にSiC組成を持つSiC繊維について報告する。これらの繊維は、直径が10ミクロン程度の長繊維である。
石原 正博
セラミックス, 39(10), p.834 - 837, 2004/10
高温ガス炉は、燃料に耐熱性に優れた被覆燃料粒子,減速材に黒鉛,冷却材にヘリウム(不活性ガス)を使用していることから、高い固有の安全性の確保,高い燃焼度の達成及び高いプラントの熱効率の達成が期待でき、ヘリウムガスタービンを用いた高い熱効率発電炉,核兵器解体余剰プルトニウムの燃焼炉や水素製造,地域熱供給等の核熱利用を目指した高温ガス炉の検討が進められている。これらの実用化を進めるには、燃料,材料の高性能化が重要な課題の一つとなっている。そこで、本報告では耐熱性材料である黒鉛材料及び炭素繊維強化炭素複合材料について、研究開発の現状について紹介するとともに、今後の研究開発の展望について述べた。
山脇 道夫*; 河村 弘; 土谷 邦彦
セラミックス, 39(10), p.843 - 848, 2004/10
未来のエネルギー源である「地上の太陽」核融合炉の実現のために、燃料であるトリチウムが必要である。このため、トリチウム増殖材料として、リチウムを含んだセラミックス材料(リチウム含有セラミックス)を核融合炉ブランケット内に装荷し、リチウムと中性子との核反応により、トリチウムを生産する。この材料は、Liの個数密度が高くかつ生じたトリチウムが容易に放出・回収できる特性が要求され、LiO, LiTiO等のような酸化物が候補材料として研究開発されている。加えて、核融合炉の燃料サイクルを考えた場合、安全管理の観点から、配管構造壁からのトリチウムの透過漏洩を抑制するために、難透過性の材料(セラミックコーティング)の研究開発が必要となる。本解説は、核融合炉におけるトリチウム増殖材料とトリチウム透過防止用被覆の研究開発の現状についてまとめたものである。
湊 和生
セラミックス, 39(10), p.830 - 833, 2004/10
高温ガス炉は、燃料に被覆粒子,減速材に黒鉛,冷却材にヘリウムガスを用いる原子炉である。1,000C程度の高温の熱を炉外に取り出すことができるものであり、発電だけではなく、さまざまな形で熱エネルギーを利用できるという特長がある。近年は、高温ガス炉からの熱を用いた水素製造に高い関心が集まっている。高温の熱を炉外に取り出すことができる特長、及び万一の事故に際しても炉心は溶融しないことなどの安全上の特長は、金属材料を使用せずに、耐熱性に優れた黒鉛とセラミックスで炉心を構成することにより初めて実現したものである。ここでは、被覆粒子燃料の機能,製造法,検査,ふるまい、及び高性能化への取り組みについて概説する。
山下 利之
セラミックス, 39(10), p.817 - 821, 2004/10
Puを燃やしきり、使用済燃料の直接処分を可能とする岩石型(ROX)燃料を開発した。Puの効率的燃焼のため親物質を含まないイナートマトリックス(IM)で燃料を構成した。使用済燃料の直接処分を可能とするため、自然界で数百万年の風化に耐えてきた鉱物類似化合物の中から安定化ジルコニア(YSZ)とスピネルをIMに選定した。燃料としての熱物性,照射損傷,FPの捕捉性等を考慮し、YSZ粒子球をスピネルマトリックス中に分散させた粒子分散型燃料を考案した。照射試験において、スエリング,FP保持特性,燃料組織安定性など粒子分散型燃料は所定の性能を示すことのほか、浸出試験でも優れた耐久性を示すことを確認した。また、ROX燃料を軽水炉で使用する際の炉物理的課題は適切な中性子共鳴吸収材(Th, U, Er等)の添加により解決し、その結果、現行のUO燃料軽水炉と同程度の安全性を確保したROX燃料軽水炉の設計が可能となった。
三田村 久吉; 馬場 恒孝; 前田 敏克
日本セラミックス協会学術論文誌, 110(1277), p.55 - 59, 2002/01
被引用回数:1 パーセンタイル:19.27(Materials Science, Ceramics)都市ゴミ焼却飛灰の無害化・安定化のために開発された人工岩石に及ぼす添加剤とホットプレス温度の影響を調べた。1200C,16時間の常圧焼結試験により、緻密な固化体作製には20wt%のTiOと1.5wt%のNaOの添加が必要不可欠であることがわかった。X線回折測定より、これらの添加剤が、Perovskite(CaTiO)とGehlenite(CaAlSiO)の生成を促進することがわかった。一方、ホットプレスによる人工岩石のかさ密度は、1000~1100Cの間で急激に増加し、開気孔率は1050~1150Cの間で急激に減少していた。これより、実用的なホットプレス温度として1100~1150Cが妥当であると考えられる。
水木 純一郎
セラミックス, 33(8), p.620 - 624, 1998/00
放射光X線を利用したセラミックス材料に関する研究例を紹介する。特に放射光の特長の1つである連続エネルギー光の性質を生かして、X線異常分散を使った研究方法及び高誘電体薄膜への応用例を示す。1つは、TaO、他の1つは、SrTiO薄膜で、いずれも、DRAMの容量膜として期待されている物質である。これらの局所構造と、誘電特性との関係を議論し、放射光の材料研究への有効性を示す。
神保 龍太郎*; 西堂 雅博; 中村 和幸; 秋場 真人; 鈴木 哲; 大楽 正幸; 中川 師夫*; 鈴木 康隆*; 千葉 秋雄*; 後藤 純孝*
日本セラミックス協会学術論文誌, 105(1228), p.1091 - 1098, 1997/12
被引用回数:1 パーセンタイル:18.61(Materials Science, Ceramics)C/C材の次の新プラズマ対向材料として、BCと炭素繊維から成る複合セラミックスを、ホットプレス法で作り、試験片を冷却せずに、電子ビームとJT-60のプラズマ加熱による熱負荷試験を行って耐熱性を評価した。高熱伝導(640W/m・K)の縦糸と折れ難い高強度(3.5GPa)の横糸炭素繊維から成る平織り(布)を作り、BCを含浸後、渦巻き状にして焼結した複合セラミックスでは、22MW/m(5秒)の電子ビーム照射により、表面が2500Cになり、BCが一部溶融しても、クラックは発生しなかった。同材料のタイルをJT-60のダイバータに設置し、中性粒子入射加熱(30MW,2秒)を含む15秒のプラズマ放電を572回繰返しても、局所的溶融は起るものの、クラックの発生は見られなかった。溶融は、表面がBCの融点を越えたためで、ITERで予定されている水冷を行えば、避けられる見込みである。
大島 武
ニューセラミックス, 10(5), p.20 - 27, 1997/05
シリコンカーバイド(SiC)半導体を電子デバイスへ応用するには、選択的な不純物ドープ技術の確立が重要である。本研究室では、高温イオン注入を用いてSiCへ不純物ドーピングを試みている。そこで本解説記事では、イオン注入方法から、試料の評価方法までを述べた。特に評価では、ESRやフォトルミネッセンスの結果を中心に結晶欠陥低減化に関することを述べた。また、注入試料の電気特性についても、シート抵抗、ホール系数測定の結果を中心に解説した。
三田村 久吉; 馬場 恒孝; 村岡 進
ニューセラミックス, 9(11), p.23 - 29, 1996/11
シンロックにおけるアクチノイド母相の一つであるペロブスカイトの崩壊損傷について、これまでに得られた成果をもとに解説を行った。特に、Cm添加ペロブスカイトで観察された体積膨張とその熱回復及び化学的耐久性の変化についてまとめ、多相が共存するシンロック内でのペロブスカイトの役割とその制約について述べた。